ハンドル

車は家族

主人は車好き。
車に対する愛情は人一倍。

去年の夏、私は交通事故にあった。
センターラインを越えた対向車に運転手側からぶつかられてしまったのだ。
しかも大型トラック。
私は変なノロノロフラフラした動きのトラックが来た!と思って早めに減速したのが幸いだった。
脳血栓で意識がもうろうとした運転手が私にぶつかり、その衝撃で反対方向にハンドルを切って、民家の塀にぶつかり停止。

私にはケガもなく、車の側面のドア2枚がボコボコになったくらいだった。

主人は「車が守ってくれたんだね。普通車でよかったね」と言った。
我が家のもう一台の古い軽自動車ならと思うとぞっとする。

事故にあうとディラーはもちろん車の買い替えを言ってくる。
修理はできてもこれからの保証はしませんよ・・・とか言って。

主人は内装もホイールもこだわって決めたこの車が大好き。
「うちの家族を守ってくれたこの車を乗り潰せるまで乗ってあげないといけない!」と。
車への「愛」が強すぎてディラーさんはスゴスゴと帰って行った。

主人には事故車は縁起が悪いなどというジンクスすら関係ない。
私もそれに従うしかない。
彼にとってもう車は家族なのだから。

修理を終えて帰って来た車は、ぴかぴかの新車のようだった。
久しぶりに出会った家族のような感覚。
これはこれでいいのではないかと、私はあきらめた。